9月3日(木)、4日(金)に理センで、高等学校理科研修講座(物理・化学・生物・地学)が行われ、全道各地から22名の先生方が参加しました。
各領域の実習内容と全体で行ったワークショップの一部を紹介します。
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【物理領域】
電気と磁気の分野では、「コイルを用いた実験」を行い、変圧器や誘導コイルの原理について考えました。また、波の分野では、「音オシロとパイプを用いた音速の測定」を行い、音声解析ソフト「音オシロ」を用いて音速を求めました。
原子の分野では、光のスペクトルを観察するための「CD分光器の製作」を行い、色々な光のスペクトルを観察しました。また、「放射線測定器を用いた放射線の測定」では、試料からの距離の違いや遮蔽物の厚さの違いによる放射線の測定を行い、放射線の性質について考えました
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【化学領域】
物質の状態の分野では、「酢酸ナトリウム三水和物が融解するときの温度変化を調べる」実験を行い、状態変化に伴うエネルギーの出入りについて考えました。
有機化合物の分野では、「アセチルサリチル酸などの消炎鎮痛剤の構造と薬効に関する思考学習」を行い、タブレット端末等を用いて官能基の相違を見いだし、各医薬品の特徴などについて話し合いました。
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【生物領域】
生態と環境の分野では、「標識再補法のシュミレーション実習」を行い、昆虫カードを用いて野外で個体群を推定する方法について、その原理を学びました。また、「シロアリの腸内に生息する微生物の観察」では、シロアリと腸内の微生物との間の相利共生の関係について学びました。
生殖と発生の分野では、「イトマキヒトデの受精と初期発生の観察」を行い、受精や発生の過程について観察しました。また、生物の進化と系統の分野では、進化の方向を考慮した系統樹を作成するソフト「MEGA」を用いて生物界の多様性と系統について考察させる活動を行いました。
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【地学領域】
地球の概観、地球の活動と歴史の分野では、「プレート運動のモデル実験」を行い、マントル対流の様子を再現し地球内部で起きているプレートの運動について考えました。また、「岩石の風化を調べる」実習では、花崗岩を加熱し、その後急冷することで岩石の風化現象について考えました。
野外観察では、北広島市に行き「露頭の地層や岩石の観察」を行い、地層や岩石の産状から、その成り立ちについて考えました。また、地球の成り立ちと海洋では、「ODV(Ocean Data View)を用いた海洋観測データの解析実習」を行い、ICTを活用して海洋の層構造や深層循環の特徴を調べ、海洋の構造について考えました。
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【ワークショップ】
アクティブ・ラーニングの理論や手法について学び、ジグソー法の体験として、地学・地質分野の「足跡パズル」を行いました。
受講者からは、「コイルにあんなにたくさんの使い道があったことに驚いた」、「金属イオンの系統分離のマイクロスケール実験を見て、簡単に実施できるのが良いと思った」、「DNAの分析などをやってみて、その難しさが分かった」、「モデルの意図と視覚化する大切さを実感できた」、「ワークショップでは、生徒が主体的に取り組む要素がふんだんにあった」という感想をいただきました。
多くのご参加、誠にありがとうございました。10月1日(木)には、アドバンス講座があります。またのお越しをお待ちしております!