10月15日(木)、理センで「平成27年度独立行政法人国際協力機構(JICA)集団研修『初等理数科教授法(B)』」が実施され、インド、エチオピア、東ティモール、ベトナム等、様々な国から12名の教育行政の方や教員が参加しました。
この事業は、日本における初等理科授業改善に向けた取り組み等について、講義・観察実験等を通じて理解を深め、帰国後、母国において初等理数科教授法の改善に生かすことを目的に実施しています。
それでは、1日の研修の様子を時系列で紹介します。
■10:00 西崎所長へ挨拶
挨拶の後、北海道の教育の実態について等、西崎所長から英語で説明を受けました。
■10:35 講義「理科教育センターの役割」について受講
オリエンテーションの後、理科教育センターの役割と小学校における理科教育について、講義を受けました。研修員の先生方は、学習指導要領や日本で使われている小学校の教科書を手にしながら、熱心に聞き入っていました。
■11:05 サイエンスカー見学、クワガタ号乗車
体育館では、クワガタ号の乗車体験をしました。燃料電池の仕組みに大変興味を持ち、何度も質問をしながら、メモをとりました。外では、サイエンスカーの見学を行い、超伝導物質が浮く理由について質問をしました。
■13:00 観察実験Ⅰ(化学領域)受講
ポリエチレン管を使った簡易ピペットを作成しました。また、紫キャベツの抽出液を使った簡易的な水溶液の実験を行いました。実験結果を分析し、水溶液の性質を確かめました。
■14:05 観察実験Ⅱ(生物領域)受講
ヒイラギの葉脈標本を作成し、キーホルダーを完成させました。また、メダカの観察では、小型卓上水槽を作成し、メダカの雌雄の違いをじっくり観察し、見分けました。
■15:10 観察実験Ⅲ(地学領域)受講
噴火に伴う火山噴出物の分布や火砕流の発生する仕組みを実験によって検証しました。また、津波発生のモデル実験を行い、海岸の地形により津波の様子が異なることを理解しました。
■16:10 質疑応答、集合写真撮影
質疑では、教員研修体制についての質問が多く寄せられました。この研修成果をこれからどのように自国で生かせるのか、真剣な議論が交わされました。
また、「自分の国の周りには海があっても水族館は無いので、生物領域で教わった小型卓上水槽を作成して、子ども1人1人にじっくり観察させたい」、「これから理センのWebページを参考に、自国で安価な教材を開発したい」などの感想を頂き、理セン職員一同、大変嬉しく思いました。
この研修が、研修員の先生方の役に立ち、世界中の子どもたちに理科好きの輪が一層広がることを心から願っています。