塩づくり(1)

−塩づくりを通して生活と理科を結びつける−

前田 昭彦

 塩は調味料としてだけでなく,魚などの塩蔵品(防腐作用),みそやしょう油(発酵調整作用),漬け物(脱水作用)などの食品加工に利用されているのをはじめ,石けん,ガラス・プラスチック製造,製紙などの化学工業分野でも幅広く利用されており,身の回りのあらゆる部分に密接にかかわっている。また,身体にとっても重要な役割を果たしており,水や空気と同じように人間が生命を維持していくためには不可欠なものである。しかし,日本では諸外国のように岩塩などの塩資源に恵まれていないので,昔から塩を得るために多くの努力がなされてきた。

 ここでは,海藻を用いた昔の製塩技術「藻塩焼き」を基に,塩づくりの方法について検討するとともに,実験室で簡易に海水から塩を精製する方法を紹介し,塩づくりと化学の魅力を体感することで,日常生活と理科を結びつける教材の可能性を探った。

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