中山湿原の地表性昆虫類について
青山 慎一
  1989年、中山湿原で発見されたヒメギスの一種は、平地に生息するイブキヒメギスに最も近いものであったが、後肢の形態や鳴き声に明らかな違いが発見され、、注目された。
  このことは、中山湿原に古くから生息していた小動物が「隔離による種分化」を起こしている可能性を示唆するものであった。
  そこで、他に傍証となる事実の有無を探るべく湿原及びその周辺の昆虫類と土壌植物の調査を行った。本稿では、それらのうち、中山湿原の生物相を比較的よく表している地表性昆虫類について報告する。

[キーワード] 中山湿原 ヒメギス 地表性昆虫類 小型化 生態的隔離における種分化
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