歯科用印象材を使った火山形成モデル実験


 
■ 準備
 発泡スチロール板(25cm×25cm×0.5cm),ビニル袋(およそ20cm×12cm、6枚),三脚、
 歯科用アルギン酸塩印象剤(25g×6),絵の具(赤・青・緑・黄・橙・紫各1色ずつ適量),
 ラップ水(75ml;4、100ml;2),フィルムケース(6本),セロハンテープ,ドリル,カッター,
 コルクボーラー,ビーカー

 ※ 歯科用アルギン酸塩印象材は,歯医者で歯型をとる薬剤。 歯医者で購入先を聞くと良い。
    1s4000円程度

■ 方法
  
  1. 発泡スチロール板の中央部にドリルまたはカッターで直径約
     3cmの穴をあける。

図1
  2. スチロール板にラップフィルムを載せ、セロハンテープで固定
     する。
  3. スチロール板の穴に合わせて、ラップフィルムに穴をあける。
  4. フィルムケースの底を切り,筒状にする。
  5. ビーカーに水100ml入れて,絵の具を入れ濃い目の色水を
     つくる。

図2  
1回目の噴火で
溶岩が噴出
  6. 1枚のビニル袋に次のものを入れてすばやく混ぜて溶岩に
     見立てる。
     歯科用アルギン酸塩印象材(25g)に方法5で作った色水
  7. 方法4で作った筒の穴から方法5で作った溶岩の入ったビニル
     袋の上の部分を出す。
  8. 筒と上の部分が出たビニル袋を,三脚にのせたスチロール板
     の穴の下から1mm程度出す(図1)。
  9. ビニル袋をゆっくりと絞り,1回目の噴火を起こし,溶岩台地を
     作る(図2)。
  10. 2分たったらビニールと筒をスチロール板から引き抜く。
  11. 方法5で色水の色を変えて溶岩をつくる。
 12. 方法6〜9を行い,2回目の噴火を起こす(図3)。
図3  
図4  
1回目の溶岩台地の上に2回目の溶岩が噴出する。 2回目の溶岩が1回目の溶岩を覆っていく
 13. 2分たったらビニールと筒をスチロール板から引き抜く。
 14. 方法5で水の量を75mlにし溶岩をつくる。
     やや硬い溶岩になる。
 15. 方法6〜9を行い,3回目の噴火を起こす(図5)
図5  図6
3回目の噴火
やや硬めの溶岩が噴出

          4回目の噴火
   噴火口が小さくなり,溶岩が内部で固まる
   潜在溶岩ドームになる           
 16. 繰り返し噴火を起こし,火山を成長させる。
     *溶岩の通り道がふさがらないように,噴火口は時々,コルクボーラーで穴をあける
図7 図8
         5回目の噴火
    噴火口をコルクボーラーで広げた
    やや硬めの溶岩が覆う
6回目の噴火
成層火山に成長したモデル火山

 17. 最後の噴火が終わり5分で全体が固まる
 18. 火山の断面をカッターで切って観察する(図9)。
図9 図10 図11
カッターで切った火山 断面を見る
6回の噴火の様子を
色で確認できる
拡大して見る
1枚ずつ剥がして,
溶岩の広がりをみる。

流紋岩質溶岩(硬い溶岩) 玄武岩質溶岩(流れやすい溶岩)
印象材 25g
    水    75ml
      混合して3分程度で噴火させる
印象材  25g
   水    100g
     混合して早めに噴火させる
成層火山を作る場合,溶岩の性質をはじめは流れやすく,後半はやや硬めの
溶岩にしていくと,より形が富士山型に近づいていく。

理科教育センター地学研究室研究員
   境 智洋 考案
 
                2003.4