種子の発芽におけるアミラーゼの作用 画面をクリッックすると動画または大きな画像が見えます。
準備 イネまたはムギの種子、ペトリ皿、ろ紙、カミソリ、ビーカー(300ml)、ガラス棒、
ピンセット、駒込ピペット、三脚、金網、バーナー、デンプン(可溶性)、寒天、
ヨウ素液
方法
1 前日に、ペトリ皿に必要量より少し多めに種子をいれ、種子が浸るくらいの水を
注いで20℃以上で1晩放置する。
2 デンプン1gと寒天1gを水100mlに入れ、ガラス棒でかき混ぜながらバーナー
で加熱して完全に溶かす。透明になったら加熱をやめる。
3 ビーカーの溶液を2枚のペトリ皿に薄く(深さ1〜2mmくらい)広げ、冷やして
固める。
4 前日から水につけておいた種子の皮(もみがら)
をむき、図のように、カミソリで胚がついている部
分とついていない部分とに横に二等分する。
5 胚がついている部分はAのペトリ皿、ついていな
い部分はBのペトリ皿に、それぞれ切り口を下にし
てのせ、ふたをして2日ほど20℃くらいの温度条件
に置く。
6 2日後、A・Bそれぞれの種子を取り除き、寒天の表面にヨウ素液をかけて反応
を見る。
結果 一般に、種子は、発芽条件が整うと、胚からジベレリンや 結果 →
オーキシンを分泌して胚乳や子葉などに含まれる養分に働き
かけ、糖を合成させ、それをエネルギー源として発芽が始ま
る。イネやムギでは、胚が分泌したジベレリンが胚乳の外側
を包む糊粉層に働きかけ、アミラーゼを合成し、このアミラ
ーゼが胚乳のデンプンを分解して糖を作る。したがって、A
の種子の周辺はデンプンが分解されるため、ヨウ素反応が起
A B
こらない
参考
1 Bの寒天に適当な濃度のジベレリンを含ませておくと、Bには胚が無いにもかか
わらず、アミラーゼの合成が起こり、Aと同じ結果となる。
2 ムギの種子は、ネコの健康草の種子としてペットショップなどで入手できる。
表に戻る