TLCを用いた光合成色素の分離 画面をクリッックすると動画または大きな画像が見えます。

準備 シロツメクサなどの葉(緑葉であればよい)、TLCアルミシート(100×10mmに切っておく)、ねじ口
  試験管、試験管立て、ゴム栓、乳鉢、乳棒、ピンセット、鉛筆、定規、サンプリングチューブ、駒込ピ
  ペット、毛細管(ガラス管の一方を溶かして細く引き伸ばしたもの)、メスシリンダー、透明なシール、
  定規、サインペン、ピンセット、薬包紙、粉末シリカゲル、ジエチルエーテル、石油エーテル、アセトン
 
方法
 1 実習の3〜4時間前に、石油エーテル:アセトン=7:3の割合で混ぜて(展開液)、
  試験管の底から10mmくらいの深さに入れておき、しっかり密閉しておく。 展開液はす
  ぐに蒸発して組成が変化し  てしまうので、使う直前に必要な分だけ作る。

 2 TLCシートの下端より20mmのところに鉛筆で薄く横に線を引いておく(右図)。



 3 シロツメクサの葉0.6gを粉末シリカゲル1.5gとともに乳鉢に入れ、乳棒で葉の形
  が無くなるまですりつぶす。
  (片山舒康 光合成色素の抽出と分離実験 理科の教育 pp.42-43 2001)

  ※ 粉末シリカゲルは粒状のシリカゲルをすりつぶして作るとよい。すりつぶすとき
   には、ビニル袋の中などに入れて行い、粉をできるだけ吸い込まないように気をつ
   ける。

 4 方法3でできた粉末0.4gをサンプリングチューブにいれ、ジエチルエーテル1ml
  を加えてふたをし、10回ほど強く振る。

  ※ ジエチルエーテルは有害なので、できるだけ吸い込まないこと。



 5 方法4のサンプリングチューブの中の上部に緑色の層(抽出液)が分離したら、毛
  細管の先端を軽く浸すと抽出液がガラス管に入ってくるので、毛細管をTLCシートに
  引いた線の中央(原点)に押しつけ、TLCシートに抽出液をしみ込ませる。この操作
  を5回繰り返す。






 6 TLCシートを方法1で用意した試験管の中にゆっくり入れ、しっかりふたをして色
  素を分離する。

  ※ できるだけ展開液の液面を波立たせないこと。


 7 約15〜20分で展開液がTLCシートの上端まで
  しみ上がるので、すぐに取り出し展開液がしみ
  あがったところに鉛筆で線を引き、透明なシー
  ルを上から貼って(色あせを少し防げる)、各
  色素の最も濃くなっている部分にサインペンな
  どで印をつける。                  
                        

 8 原点から各色素の中央までの長さを測り、展
  開液がしみ上がった長さで割って、各色素のRf
  値を求める。

結果 種子植物では一般に右図のような色素が分離できる。各色素の色調とこの図に  分離結果 →
  示されている順番をもとにして色素名を調べるとよい。クロマトグラフィーでは、
  Rf値は展開条件(容器・展開液の組成・温度など)によって変わるので、高校の
  実験では、あくまで参考程度にとどめる方がよい。

 
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