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岩石の溶融実験(演示実験)
−マグマの再現−

札幌市立幌東中学校 高橋伸充教諭


目的 マグマが急冷するとガラスになることを確認する。マグマ(溶岩)を再現する。
準備 
強力なガスバーナー、マッフル、るつぼ、上皿天秤、薬包紙、薬さじ、るつぼばさみ、ふるい、鉄乳鉢、薬品
方法 
① 火成岩を鉄乳鉢で粉砕する。
② 粉砕したサンプルをふるいにかける。
③ 粉砕サンプル2gとホウ酸リチウム4gをるつぼ内でよく混ぜる。
④ マッフルで囲んだ③のるつぼを強力なバーナーで強熱する(図50)。
⑤ 10〜15分程度加熱する。るつぼばさみで、るつぼをゆするとサンプルが ドロドロに溶融しているのがわかる。溶け残りやむらができないようにするために数度、回すようにゆする。
⑥ 融解したサンプルをレンガや耐熱板などの上にたらす。
⑦ ⑥の上にマッフルをかぶせ、冷えるのを待つ。
⑧ ガラスができていることを確認する。

図50 溶融中の岩石
結果と考察
この実験では加熱器具の能力(火力の強さ)が重要になってくる。一般的なガスバーナーではサンプルは溶融せず、少し熱量が高いと思われるパイトーチのバーナーでも十分な結果はでない。ブタンとプロパンの混合気体を燃料としたバーナーが適当なようだ。陶製るつぼを使用する場合、割れるのを防ぐため、徐々に火力を強め、加熱3分ぐらいで最高の火力にするよう調節するとよい。
 この実験により、マグマが冷えるとガラスになることを実感できれば、火山灰や火山岩に含まれる火山ガラスについて理解しやすくなると思われる。この実験によってできたガラスは、サンプルに混ぜ合わせる融剤の種類によっても違うと思われるが、SiO2含有量の多いものほど透明感の高い緑色に、含有量の少ないものほど濃い色合いになった。
 外見の違う岩石でも、この実験でガラスにすると同じような色合いになる場合があった。簾舞付近の安山岩は外見が白っぽいものと黒っぽいものが採取できたが、その両者のガラスが肉眼では区別できないほどの同じ色合いになり、また岩石薄片の鏡下観察でも両者に同じ特徴を確認した。肉眼で岩石を鑑定することの不確かさを改めて認識することができた。
※演示実験として実践
 
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